http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050528i112.htm

日本の対応で中国側動揺とアーミテージ氏指摘
 米国のアーミテージ前国務副長官は28日、都内の学習院大学で講演し、中国の呉儀副首相が小泉首相との会談をキャンセルして帰国した問題について、「非外交的な活動」と中国側を批判するとともに、日本側の毅然(きぜん)とした対応が中国側の動揺を誘ったとの見方を示した。

 アーミテージ氏は、「長年、中国が日本の『戦争における過ち』を取り上げると、日本は『政府開発援助(ODA)をもっと出しましょう、申し訳ない』と謝ってきた」と指摘したうえで、「今回、中国は同じシナリオを使おうとしたが、日本は『お詫びはした。今は新しい時代で、前に進まなければならない』と頭を下げず、中国側は『違った反応が出てきた』と混乱した」との分析を披露した。

 また、東アジア地域の経済連携強化を目指す「東アジア共同体」について、「中国は米国のいない場を使い、米国の太平洋国家としての役割、関与に疑問を投じてくるのではないか。そうすると地域や組織を阻害する問題が起こる」と懸念を表明した。

 日本の国連安全保障理事会常任理事国入りについては、「日本は当然、常任理事国になる国だと思うが、他の3か国(ドイツ、インド、ブラジル)とまとまってではなく、日本単独で行動すべきだ」と述べ、常任理事国枠の大幅な拡大に慎重な姿勢を示した。

(2005年5月28日20時37分 読売新聞)